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日外会誌. 124(2): 198, 2023

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会員のための企画

「救急診療におけるvirtual reality 臨床学習プラットフォームの構築」によせて

大阪警察病院 ER・救命救急科

水島 靖明



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緊急度・重症度の高い外傷に対しては,限られた時間内に蘇生や手術の優先順位の判断など包括的な診療能力が求められる.診断能力の獲得のためには,当然,経験が必要となるが,実臨床では,同じ病態の外傷症例を繰り返し経験することは不可能である.また,現場では,教育より診療を優先しなければならないというジレンマが存在する.外傷診療の質の向上のためには外傷診療の研修をより充実させることが必須であり,そのため,外傷診療の研修では,診療理論や手技の習得に,ケースシナリオでの学習や大型動物を用いた手術実習形式のものが,開発,運営されてきた.実践的な体験を繰り返して,外傷診療をきわめて効率よく学べる学習方法である.しかし,より臨床に即した現実感や費用という面では課題も残る.また,現在のコロナ禍,コロナ後においては,実習や集会形式などの研修も,検討すべき喫緊の課題である.近年,virtual reality(VR)の発展に伴い,各分野での応用が期待されているが,外傷診療の研修にもVRは大いに期待できる分野である.今回,執筆をお願いした日本医科大学大学院医学研究科の横堀將司先生は,本邦の外傷診療の研修コースにおいて,深くかかわっておられる委員の一人であり,また,外傷診療の学習プラットフォームとしてVRを構築するため,研究,開発をされている.
すでに始まっているDX(デジタルトランスフォーメーション)では,さまざまな面で,人々の生活に浸透していくと思われるが,外傷診療に携わるものとしても,どのようにその技術が外傷診療に応用されていくのか,本当に待ち望まれる.会員の皆様と少しでも情報が共有できれば幸いである.

 
利益相反:なし

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