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日外会誌. 123(2): 153, 2022

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特集

Corona禍で大きく変わった学術活動,After Coronaでどう舵を切るか

1.特集によせて

高槻赤十字病院 外科

平松 昌子



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新型コロナウイルスの拡大により,学術集会のスタイルは現地からWeb開催へと大きな様変わりをみせた.奇しくも日本外科学会では林立する学会・研究会のあり方を見直すワーキング・グループを立ち上げ,Surgical Weekを目指した活動のさなかであった.第120回日本外科学会定期学術集会は日本外科学会史上初めて,他領域を含めた主要学会でも先陣を切っての完全Web開催となったが,北川雄光会頭と教室の先生方の懸命なる努力により成功裡に終わり,その後の学術集会の基盤となった.翌年の第121回日本外科学会定期学術集会も再びWeb開催を余儀なくされたが,やはり現地開催時より多数の参加が得られた.以後多くの学会でオンライン化が進む中,時間や旅費を節約でき若手や女性医師が参加しやすくなったこと,重複する時間帯のセッションをいつでも視聴できるなど,Web開催の多くのメリットに気付かされた.一方事前登録データのアーカイブ配信では発表の臨場感が得られず,face-to-faceでの活発な討論や人間関係構築が困難となったことは否めない.
国際学会など海外交流においては特に時間的・経済的メリットは大きいが,時差の問題に加えて,わが国の医師がグローバルな視点を身につけ,国際的人脈を構築し,研究成果を世界に発信するためには,何か新しい手法が必要かもしれない.
教育セミナーや専門医試験に際しても様々な変更を迫られてきた.E-learningの多用は利便性が増す一方,外科教育で必要なOJTに関しては今後の検証が必要であろう.
コロナ禍が収束を迎えた後,学術活動はどのような方向に発展していくべきか?この2年間の苦い経験を前向きに生かすべく,今,考えてみたい.

 
利益相反:なし

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