[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (2247KB) [全文PDFのみ会員限定]

日外会誌. 123(1): 32-38, 2022


特集

Modern Surgeon-Scientistによる恒常性維持器官の外科研究

5.癌幹細胞の解析と新規治療の開発

東京医科歯科大学 医学部分子腫瘍医学

田中 真二

内容要旨
癌難治性の原因の一つは,その多様性・不均一性(heterogeneity)である.正常組織の多様性は自己複製能と多分化能を持つ幹細胞が担っているが,癌組織の中にも同様に「癌幹細胞」が存在することが明らかとなり,四半世紀以上が経過した.近年のシングルセル解析(omics),エピゲノム変動(bivalency),代謝リプログラミング(OXPHOS)などの研究によって癌幹細胞の本質的解明が進む中,生体内における免疫回避システムを巧妙に利用する癌幹細胞の強かな生存戦略も判ってきた.癌幹細胞を標的とする先端的研究を基盤として,様々な治療開発を進めている.

キーワード
癌幹細胞, エピゲノム変動, 代謝リプログラミング, 免疫微小環境, ゲノム編集


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。