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日外会誌. 120(3): 312-317, 2019


特集

外傷外科を取り巻く最新のトピックス

7.Team approach

島根大学医学部 Acute Care Surgery講座

渡部 広明 , 藏本 俊輔 , 室野井 智博 , 岡 和幸 , 下条 芳秀 , 木谷 昭彦 , 比良 英司

内容要旨
重症外傷の診療は典型的なチーム医療である.診療の課程で実施される外傷外科手術も同様であり,緊急性が高く不確実性の中で手術を実施しなければならない環境においてチームマネージメントは極めて重要といえる.外傷外科におけるチーム構築を考える上で参考となるものにチームSTEPPSの考え方がある.チームSTEPPSでは「コミュニケーション」,「リーダーシップ」,「状況モニター」,「相互支援」の四つをチーム医療の実践に必要な能力であると提案している.これらのうち,外傷外科では指揮命令系統を構築し強力なリーダーシップを発揮することのできるコマンドシステムの構築が重要である.また明確で効果的なコミュニケーションを行うため,SBAR for trauma やクローズドループコミュニケーションなどのツールを活用することが推奨されている.外傷診療や外科手術におけるチーム構築には初期診療からのチームマネージメントが必要であり,trauma team activationのシステムを構築しておく必要がある.外科医は日々の診療からノンテクニカルスキルであるチームマネージメント能力を獲得すべきである.

キーワード
外傷チーム, ノンテクニカルスキル, チームSTEPPS, 指揮命令系統の構築, ブリーフィング

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