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日外会誌. 120(2): 196-200, 2019
特集
血管浸潤を伴う肝胆道癌の外科治療の現況
8.肝門部領域胆管癌における肝門部血管浸潤例に対する外科治療
内容要旨肝門部胆管は門脈の左右分岐部の腹側に位置し,その両者の間を右肝動脈が横走する.この隣接関係から,肝門部領域胆管癌は進行するとともに右肝動脈や門脈左右分岐部に浸潤する.発症時点で肝十二指腸間膜内の主要血管にしばしば浸潤することが肝門部領域胆管癌の特徴である.血管浸潤の範囲が胆管浸潤優位側と同じ側にとどまる場合は,同血管を根部で切離する標準的切除,すなわち左右の肝葉+尾状葉切除,で対応可能である.さらに進行し,対側/両側血管に浸潤すると標準的切除では対応不可能であり,治癒切除には血管合併切除を伴う肝切除を施行する必要がある.このうち,門脈合併切除は報告例が増加し進行例に対する外科治療として認知されつつある.一方,肝動脈切除に関しては専門施設から少数例を扱った研究が報告されているに過ぎない.その技術的難易度と周術期合併症の高さから,また長期予後に対する影響が不明な点から,専門施設でのみ施行されるべきであろう.
キーワード
肝門部胆管癌, 肝門部領域胆管癌, 血管浸潤, 門脈浸潤, 肝動脈浸潤
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