[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (974KB) [会員限定][検索結果へ戻る]

日外会誌. 120(2): 177-182, 2019


特集

血管浸潤を伴う肝胆道癌の外科治療の現況

5.肝静脈・下大静脈侵襲を伴う肝細胞癌に対する治療

1) 神戸大学大学院 医学研究科外科学講座低侵襲外科学分野
2) 神戸大学大学院 医学研究科外科学講座肝胆膵外科学分野

木戸 正浩1)2) , 福本 巧2)

内容要旨
肝静脈・下大静脈侵襲を伴う肝細胞癌は予後不良の病態だが各国のガイドラインには特化した記述は認められず,門脈侵襲などとまとめて論じられてきた.2017年本邦から全国集計を用いて肝静脈・下大静脈腫瘍栓合併例に対する外科切除の有効性を示す報告がなされ,肝癌診療ガイドライン2017年版のClinical Question(CQ16)に記載された.しかし依然としてその治療は困難で,近年,分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬等が使用可能となっているが,有効性については今後の評価を待たねばならない.本項ではこのような肝静脈・下大静脈腫侵襲を伴う肝細胞癌の治療選択について最新の知見を交えて論じたい.

キーワード
肝細胞癌, 肝静脈侵襲, 下大静脈侵襲, 肝切除, 粒子線

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。