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日外会誌. 119(5): 482-487, 2018


特集

Marginally resectable 局所進行大腸癌への治療戦略

4.傍大動脈リンパ節転移を伴うS状結腸癌・直腸癌

国立がん研究センター中央病院 大腸外科

金光 幸秀 , 山田 和之介 , 志田 大 , 塚本 俊輔 , 森谷 弘乃介 , 坂本 良平

内容要旨
切除可能な肝転移や肺転移に対する最も効果が高い治療法は外科的切除である.さらに,根治的切除が技術的に可能である場合,部位にかかわらず遠隔転移巣の治癒切除を受ける患者は,非切除患者よりも生存期間が長い.そのような中,大腸癌の大動脈周囲リンパ節(以下,216LN)転移は,遠隔転移の扱いであり予後不良なケースが多いが,一方で根治的リンパ節郭清が奏効し長期予後を得た報告も散見される.特に,他の遠隔転移を伴わない孤立性や異時性の216LN転移では積極的な切除を勧める報告が多い.
当科で経験した同時性216LN転移切除36例の検討では,他の遠隔転移を伴わない腎静脈下縁以下に存在する2個までの216LN転移は良好な長期予後が得られ,積極的な外科的治療の対象と思われた.

キーワード
直腸癌, 結腸癌, 大動脈周囲リンパ節転移, リンパ節郭清, 拡大手術


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