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日外会誌. 119(3): 266-271, 2018


特集

外科医のがん研究

3.胃外科医としてスキルス胃がん研究

大阪市立大学腫瘍外科,癌分子病態制御学,難治癌TRセンター 

八代 正和

内容要旨
およそ30年間にわたり消化器外科にたずさわり,また同時に研究も行ってきた.胃がんは最も多く臨床経験した疾患である.大学院生時代に経験したスキルス胃がん症例からがん細胞株や線維芽細胞株を樹立した.それらの細胞株を用いてスキルス胃がん研究を始め,結果的に25年間研究を行い,スキルス胃がんの病態について新しい発見があった.その研究成果をもとに,現在スキルス胃がんの治療法開発にも関わっている.日頃の臨床診療で感じていた疑問をベンチで明らかにしその結果をベッドサイドに還元する研究活動は,外科医としてのモチベーション持続の源になる.外科医はトランスレーショナルリサーチに好位置にあり,研究における外科医の優位性を生かし,臨床経験で生じた疑問を研究で解明するresearch mindを持ち続けてほしい.

キーワード
トランスレーショナルリサーチ, スキルス胃がん, 間質線維化反応, FGFR2, research mind


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