[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (482KB) [会員限定][検索結果へ戻る]

日外会誌. 119(1): 41-46, 2018


特集

医療の質向上のための取り組み―心臓血管外科―

6.血管外科診療

日本血管外科学会理事長,山王病院・山王メディカルセンター血管病センター 

宮田 哲郎

内容要旨
2011年より開始されたNational Clinical Database(NCD)でも明らかになったが,血管外科診療は,身体のあらゆる部位の動脈,静脈,リンパ管を対象として,保存的治療から外科治療までを扱っており多彩である.血管外科手術の質の評価指標として,大血管手術はリスク補正した手術死亡率が利用できるが,手術死亡率が低いその他多くの血管外科手術の質の評価のためには,手術患者を中長期追跡し,QOL,あるいはそれに代わるサロゲートマーカーのデータ集積が必要となる.日本血管外科学会では2013年から,全国規模の重症下肢虚血(Critical Limb Ischemia;CLI)登録・追跡データベース事業を開始した.このデータベースはJAPAN Critical Limb Ischemia Database(JCLIMB)と呼称し,NCD上に作成した.まだデータ集積中であり,医療の質評価の段階には至っていないが,現在進行中のプロジェクトとして解説する.また,NCD上に血管外科手術データが集積されるにつれ,それを用いた臨床研究を実施し,その成果を血管外科診療の質向上につなげる試みも検討しているので,それに関しても概説する.

キーワード
血管外科, 重症下肢虚血, 破裂性腹部大動脈瘤, JCLIMB

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。