[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (677KB) [会員限定][検索結果へ戻る]

日外会誌. 118(5): 532-538, 2017


特集

外科専門医のための外傷外科手術off-the-job training(OFF-JT)

6.献体による外傷手術臨床解剖学的研究会

1) 東京医科大学 救急・災害医学分野
2) 東京医科大学 人体構造学分野
3) 国際医療福祉大学 医学部解剖学
4) 産業医科大学 医学部救急医学講座
5) 愛媛大学大学院 医学系研究科救急航空医療学講座
6) 北海道大学大学院 医学研究科消化器外科学分野Ⅱ

本間 宙1) , 織田 順1) , 佐野 秀史1) , 内堀 健一郎1) , 長田 雄大1) , 鈴木 智哉1) , 河井 健太郎1) , 河田 晋一2) , 宮宗 秀伸2) , 林 省吾3) , 伊藤 正裕2) , 真弓 俊彦4) , 佐藤 格夫5) , 村上 壮一6) , 七戸 俊明6)

内容要旨
外傷外科手術の献体によるoff-the-job研修として,東京医科大学救急・災害医学分野は,2007年に人体構造学分野(解剖学)の協力の下,1日間の「献体による外傷手術臨床解剖学的研究会」を,まずは学内関係者向けに立ち上げた.2012年の「臨床医学の教育および研究における死体解剖のガイドライン」公表を経て,同年からの厚生労働省委託事業「実践的な手術手技向上研修事業」に本学が選定されたことを受けて,研究会は公募による学外医師をも対象としたオープンコースに発展した.
研究会(基礎コース)では,ホルマリン固定献体を使用し,基本手技を含む,胸部・血管・骨盤腹部・四肢外傷に関する全21手技を研修することとした.受講者の評価には,21手技に対する10段階の自己習熟度評価スケールを用いてアンケートを行い,受講前・受講直後・半年後の変化を比較検討し,臨床実践を含めた研修の有用性が認められている.本研究会(基礎コース)は,他大学でも同内容での開催実績を積んでおり,全国的に展開する予定である.
2015年から上級者向けの研究会(アドバンスドコース)を新規に開催することとした.「飽和食塩溶液固定法(saturated salt solution method:SSS法)」献体を用いることにより,肺切除術,肝切除術,腹部大動脈損傷修復術,骨盤創外固定・後腹膜ガーゼパッキング術,下腿筋膜切開術などの,外傷外科における高難度手術を研修することが可能となった.

キーワード
off-the-job training, 献体研修, 外傷手術教育, 自己習熟度評価, 飽和食塩溶液固定法

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。