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日外会誌. 118(4): 407-413, 2017


特集

大腸癌診療の最近の動向

4.大腸癌に対する術後補助化学療法

1) 東京医科歯科大学 消化管外科学
2) 東京医科歯科大学 総合外科学

岡崎 聡1) , 植竹 宏之2)

内容要旨
これまで国内外で行われた大規模臨床試験の結果に基づき,大腸癌術後の補助化学療法に用いられるレジメンは,5FU/LV静注療法および経口フッ化ピリミジン製剤(UFT/LV療法,カペシタビン療法,S-1療法)と,オキサリプラチンを併用するFOLFOX療法およびCapeOx療法とに大別される.腫瘍学的観点からは,より治療効果の強いオキサリプラチン併用レジメンが望ましいが,蓄積性末梢神経障害に代表される副作用や医療コストの問題があるため,再発リスクに応じてその適応を検討する必要がある.現状では,それぞれの薬剤・レジメンの治療効果や有害事象を予測することはできないが,現在行われている臨床試験やバイオマーカー研究によって,術後補助化学療法で恩恵を受けられる患者の選別と適切なレジメン選択が可能となることが期待される.

キーワード
術後補助化学療法, 5FU/LV静注療法, 経口フッ化ピリミジン製剤, FOLFOX療法, 個別化医療


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