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日外会誌. 118(2): 149-154, 2017


特集

外科診療におけるチーム医療の現況と展望

3.岡山大学の周術期チーム連携PERIO:Perioperative management center

岡山大学 医歯薬学総合研究科消化器外科学

白川 靖博

内容要旨
かつての周術期管理においては,ほとんどの業務を外科医自身が患者にアプローチして行っていた.しかしながらそのような旧来の方法では,担当する外科医の経験や知識により患者の周術期環境の善し悪しだけでなく合併症発生率にも差が出てしまっていた.特に食道癌手術のような侵襲の大きな手術においてはその傾向が顕著であった.また近年の在院日数短縮に伴い,術前の入院期間も1〜2日となっており,患者が安心して手術に臨むために充分な体と心の準備も難しくなっていた.このような状況を打開することを目的に岡山大学病院では2008年に周術期管理センター(PERIO:Perioperative management center)が開設され,2009年にはわれわれが担当する食道癌手術にも導入された.
PERIOでは多職種のメディカルスタッフが組織横断的に患者情報を共有し,術前外来の段階からチーム医療介入を行っている.PERIOの導入の成果として術後歩行開始までの期間短縮,術後在院日数の短縮といった数字の成果だけでなく,患者へのアンケートの結果より患者が安心して手術に臨む環境が整備されていることがうかがえた.PERIOは今後,術中および術後の介入を強化し,さらに安心で安全な周術期環境を提供していくことを目指している.

キーワード
チーム医療, 周術期管理, ERAS, 食道癌


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