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日外会誌. 118(2): 144-148, 2017


特集

外科診療におけるチーム医療の現況と展望

2.チーム医療による円滑な手術室の運営

旭川医科大学病院 手術部

平田 哲

内容要旨
手術室は究極のチーム医療の場であり,外科医が最高の手術を完遂できるように,医師とスタッフは職種間のコミュニケーションを大切にする意識を持っていなければならない.
外科医は,多様化,複雑化してきている手術を効率的に行うために,現場まかせではなく手術室の運営についても考えなければならない.手術の予定を立てる際には,人員や器械の確保,ターンアラウンドタイムの短縮,オンコール体制など運用方法や安全面の確保が必要である.看護師,メディカルスタッフの専門性を高めるために,各職種におけるプロフェッショナリズムの意識を植えつけることが,質向上の為に重要である.われわれは,近年増加している低侵襲手術においては特に職種間の情報の共有化がより求められている.インフォームドコンセント(Informed Consent;IC)は,外科医は合併症の可能性はもちろんのこと,突然の機器の不具合についても明確に記載しておくべきと考える.
医学の進歩と同様に,医学を取り巻く他分野の進歩により手術は大きく変化してきている.われわれは,その変化に対応するだけではなく,専門家としての専門性の上に,高い倫理感や道徳観に支えられた社会から認められた職能集団としての行動や規範が求められている.時代にあわせたチーム医療を構築していかなければならないと考える.

キーワード
チーム医療, ターンアラウンドタイム, 情報共有, 手術安全チェックリスト, インフォームドコンセント

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