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日外会誌. 118(1): 60-64, 2017


会員のための企画

外科手術と新たな医療事故調査制度―医療事故の報告を中心に―

(公財)日本医療機能評価機構執行理事,九州大学病院 医療安全管理部

後 信

内容要旨
医療事故調査制度開始後1年が経過して,制度の現実の姿が明らかになってきた.最近では,特に医療事故発生の報告の判断の標準化が不十分であることや報告件数が少ないことが指摘されている.医療事故の判断の現状について,筆者が所属機関等において判断,検討してきた経験から推測すると,現状は,なお一層の標準化を要する状況にあると考えている.具体的には,「提供した医療に起因する(疑いを含む)死亡または死産」「管理者が当該死亡または死産を予期しなかったこと」の2点についてさらなる標準化を進めるための議論を行う必要がある.報告件数については,国の試算が一定の条件付であることが最近国の資料等で説明されている.今後の適切な制度運営の結果,制度開始前の試算とは別にあるべき報告件数が理解され,受け入れられていくことが期待される.

キーワード
医療事故調査制度, 医療に起因する死亡または死産, 予期しなかった, 原病の進行, 日本医療機能評価機構


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