[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (293KB) [会員限定][検索結果へ戻る]

日外会誌. 117(5): 370-375, 2016


特集

内視鏡外科手術は新たなステップへ

4.Needlescopic Surgery

獨協医科大学越谷病院 外科

多賀谷 信美

内容要旨
Needlescopic Surgery(NS)と呼ばれるのは外径2〜3mmの細径器具を使用した内視鏡下手術を指し,最近,Reduced Port Surgery(RPS)として注目されている.NSに関する報告は1998年から認められ,現在まで徐々に増加し,本邦では2000年10月にNeedlescopic Surgery Meetingとして研究会が設立された.NSの利点として,整容面の向上と術後疼痛の軽減が挙げられる.単孔式手術には整容面では劣るものの,手術視野展開は従来の方法と同様であり,術者のストレス軽減にもつながる.術後疼痛は標準術式,単孔式およびNeedleの3術式の比較において,Needleが有意差をもって術後の鎮痛剤使用回数が少なかった.NSの欠点は,細径内視鏡の画質の低下と鉗子類の細さゆえの把持力の低下および術野展開の困難さが挙げられる.今後,NSはRPSとして単孔式内視鏡下手術(TANKO)とともに発展していくものと思われるが,NSに特有の術中偶発症や術後合併症を起こさないための器具特異性を充分理解し,適切な使用方法に心掛ければ,TANKOと連携しながら,さらに発展していくと考えられる.

キーワード
内視鏡下手術, Needlescopic Surgery, Reduced Port Surgery, 細径内視鏡, 細径器具

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。