[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (271KB) [会員限定][検索結果へ戻る]

日外会誌. 117(4): 296-300, 2016


特集

機能温存を目指した胸部悪性腫瘍手術の現況と将来

5.自家肺葉移植術

獨協医科大学 呼吸器外科

千田 雅之

内容要旨
中枢型の局所進行肺癌に対して肺全摘を避ける方法として,気管支形成や肺動脈形成を伴う拡大切除が行われることがある.気管支,肺動静脈のいずれも切断する場合は自家肺移植と呼ぶことがある.自家肺移植には,in vivoすなわち胸腔内操作で温存肺を“transposition”する場合と,ex vivoすなわち肺全摘後にバックテーブルで肺葉切除をするベンチサージャリーの場合がある.虚血再潅流障害の予防の観点からは肺保存液による潅流が望ましく,ベンチサージャリーの場合は全例で施行されている.ベンチサージャリーでは葉間操作が容易であり手術時間の延長も少ないとの報告もある.ベンチサージャリーは肺癌手術としては新しい分野であり,可能性も秘めているが,その有効性は今後検証されねばならない.

キーワード
局所進行肺癌, 自家肺移植, ベンチサージャリー

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。