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日外会誌. 117(2): 124-129, 2016


特集

本邦における低侵襲心臓手術の現況

7.MICS僧帽弁形成術のルーチン化

慶應義塾大学 心臓血管外科

岡本 一真 , 工藤 樹彦 , 志水 秀行

内容要旨
右小開胸による低侵襲心臓外科手術(Minimally Invasive Cardiac Surgery;MICS)は心臓手術における低侵襲治療として注目されているが,僧帽弁形成術に対する標準手術としてルーチン化するには至っていない.日本では単独僧帽弁形成術の15.6%にMICSが用いられているが,ドイツでは43%,米国では20.4%,と急速に普及が進んでいる.僧帽弁形成術の手術成績,中長期成績を維持しながら,安全,確実にMICSを導入しルーチン化するためには,僧帽弁形成術の経験が十分ある術者が年間10例以上の症例数を見込める施設において導入することが不可欠である.麻酔科医,看護師,体外循環技師など関わる全職種のチームメンバーがMICSの導入に関して,それぞれの領域について高い意識をもって取り組む体制を構築することが重要である.

キーワード
僧帽弁形成術, 低侵襲心臓外科手術, MICS 内視鏡下手術

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