[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (402KB) [会員限定]

日外会誌. 115(6): 357-361, 2014


特別寄稿

医師を配偶者に持つ女性外科医師のワークライフバランスの現状と問題点

1) 九州大学大学院医学研究院 臨床·腫瘍外科
2) 北九州市立医療センター 外科

永吉 絹子1) , 亀田 千津2) , 中村 勝也1) , 植木 隆1) , 田中 雅夫1)

I.内容要旨
近年,外科を志望する女性医師の割合は増加傾向にあるが,女性としてのライフイベントを経験し,かつ外科医としての仕事を継続していくには多くの問題点や課題がある.我々は男性医師を配偶者に持った女性外科医師6名のワークライフバランスを比較し,女性医師が外科医を継続していくための今後の課題を検討した.結婚時の年齢は平均28.0歳で,出産は6名中4名が経験していた.6名中4名が多くの家事を負担していると回答し,配偶者からのサポート体制に満足していると回答したものは1名のみであった.6名中5名が配偶者にはより積極的なサポートを今後も求めたいと回答した.配偶者が仕事で多忙であることが共通の問題点として挙げられ,家庭内や職場とのコミュニケーションを十分に取ることなどの工夫を行っていた.家庭を持った女性外科医師が外科医としての仕事を継続するためには,配偶者を含めた家庭環境,職場環境によるサポート体制の更なる充足が必要であると考えられた.

キーワード
女性外科医師, キャリア継続, ワークライフバランス


<< 前の論文へ

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。