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日外会誌. 115(5): 262-265, 2014


特集

心臓・大血管外科手術におけるインフォームドコンセント

5.大動脈疾患に対する人工血管置換術,ステントグラフト内挿術

慶應義塾大学 心臓血管外科

志水 秀行

I.内容要旨
大動脈疾患に対する手術は,もともと症状や病識に乏しい患者に対し非常にリスクの高い手術を行う場合が多く,インフォームドコンセント(IC;informed consent)の重要性は特に高いといえる.緊急手術の場合には,患者状態が重篤で意思表示ができない場合や家族に対して十分な説明の時間が取れないなどの制約はあるがICの原則は同じである.医師は,疾患の概要,治療の目的,必要性とほかの選択肢,術式の概要,危険性,合併症の可能性などに関して医学的根拠に基づいて情報を正確に伝えるとともに,患者が十分に内容を理解して自由意志で治療法を選択できるように患者の価値観や理解力に配慮し,わかりやすい説明を行う必要がある.

キーワード
大動脈瘤, 大動脈解離, 在院死亡率, 術後合併症

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