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日外会誌. 115(4): 181-184, 2014


特集

胆道癌外科治療の現況

2.肝門部胆管癌の外科治療の現況―特に術式選択と血管合併切除術に関して―

東北大学大学院 消化器外科学分野

海野 倫明

I.内容要旨
肝門部胆管癌の外科治療成績は近年めざましく向上したと言える.画像診断法の進歩,胆汁ドレナージや門脈塞栓術などの術前管理,外科手術手技の進歩,緻密な術後管理などにより,肝門部胆管癌の外科治療成績は向上したといえよう.Bismuth分類による癌の局在と,ICG消失率と残肝容積から推定される残肝機能が保たれる手術術式が選択される.左右分岐または切除対側の門脈や動脈への浸潤がある場合は,門脈合併切除再建術あるいは動脈合併切除再建術が選択される.門脈合併切除再建術は多くの施設で施行され一定の治療効果を上げていることから日本のハイボリュームセンターにおいてはオプションの一つとして確立されたものと考える.一方,動脈切除再建は良好な治療成績が報告されるようになってきたが,合併症や治療成績の面から未だ一般的な治療とは言えない.血管合併切除再建術の適正な症例選択法の確立が今後の課題である.

キーワード
肝門部胆管癌, 術式選択, 血管合併切除再建, Bismuth分類


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