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日外会誌. 115(3): 125-129, 2014


特集

肺癌治療の最近の動向

3.術後補助化学療法

国立がん研究センター東病院 呼吸器外科

坪井 正博

I.内容要旨
2003年のIALT,JLCRGの発表以降,II期,III期非小細胞肺癌完全切除例に対するシスプラチンと第三世代以降の抗癌剤を併用する術後補助化学療法とは世界的に標準的治療として認知され,本邦でも同様に標準的治療として位置付けられている.また,IB期あるいはIA期の一部については,本邦のみのエビデンスに基づいてテガフール·ウラシル配合剤(UFT)による術後補助療法が標準的治療の枠組みに入っている.進行がんの治療実績からある種の抗がん剤が組織型によって異なることが示されたことを受けて,最近では病期に加えて組織型を加味した対象に臨床試験が行われている.肺癌に対し標準的に使用される殺細胞性抗がん剤に関して,効果予測あるいは無効予測可能なバイオマーカ―は同定されていない.こういったバイオマーカーが確立すれば,症例個々の術後補助化学療法においてより安全でより高い再発防止効果を期待できるであろう.

キーワード
非小細胞肺癌, 術後補助化学療法, シスプラチン併用療法, 5-FU系抗癌剤, ERCC1

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