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日外会誌. 115(2): 71-75, 2014


特集

ステントグラフトの中·長期成績

4.胸部·弓部大動脈瘤の中·長期成績

大阪大学大学院 医学系研究科低侵襲循環器医療学

倉谷 徹

I.内容要旨
胸部大動脈瘤に対する低侵襲治療であるThoracic endovascular aortic repair(TEVAR)は,近年治療の第一選択とされるほど流布し,早期治療成績も良好である.しかし弓部大動脈瘤に対しては種々のハイブリッド手術が考案され,臨床導入されているが,その遠隔期成績は未だ明らかではない.
このセッションでは,胸部下行大動脈疾患と弓部大動脈疾患を分け,各々に対する中期および遠隔期成績について多くの論文での成績,さらには当院での成績を加味して報告した.後述のようにその成績は良好であり,Open repairと比較しても決して遜色ないと思われる.これらのTEVARの良好な遠隔期成績から,胸部大動脈疾患において,TEVARのOpen repairに対する非劣性は明確なものとなりつつある.
今後,弓部大動脈疾患を中心にFenestrated deviceやBranch deviceなどの次世代デバイスが臨床応用されつつある.今後5年で胸部大動脈疾患に対する治療術式はさらに改善されるものと思われる.

キーワード
TEVAR, 胸部下行大動脈瘤, 弓部大動脈瘤, 中長期成績, ハイブリッド手術

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