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日外会誌. 114(1): 4-8, 2013


特集

癌のリンパ節微小転移―外科治療からみた臨床意義―

2.リンパ節転移の新しい検出方法

大阪大学大学院 医学系研究科保健学専攻機能診断科学講座分子病理学教室

松浦 成昭 , 内仲 彩子 , 森 誠司

I.内容要旨
リンパ節転移検索の病理診断はリンパ節の一面しか見ていないことから,精度の点で劣るという問題点が指摘されてきた.それに代わる分子生物学的診断法として私たちはOSNA(One-step Nucleic acid Amplification Method)法を開発した.多施設共同研究で乳癌,大腸癌,胃癌,肺癌リンパ節を検討した結果,OSNA法によるリンパ節転移の診断は2mm間隔で検索した場合の病理診断と同等の精度を持つ優れた方法であることが証明された.本法は迅速に診断が可能である点に加えて,実施の上で特別な技術は不要であり,施設間の差も見られず均一の精度を得ることができる.また,定量評価も可能なので,今後,臨床現場での使用が期待される.

キーワード
リンパ節転移, OSNA法, RT-PCR法


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