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日外会誌. 113(5): 463-466, 2012


会員のための企画

肺がんを疑う末梢孤立性病変への対応

経気管鏡·経皮生検の現状

東京医科大学 外科学第1講座

臼田 実男 , 池田 徳彦

I.内容要旨
近年CT機器の発達やCT検診などの普及により末梢小型病変が発見されるようになった.末梢病変に対する組織もしくは細胞診診断は,治療開始前に施行するように勧められている.肺野病変に対する診断率は,病変の大きさに依存する.American College of Chest Physician(ACCP)ガイドラインでは,計10個の研究成果の報告から,2.0cm以上の大きさの病変984病巣に対しては63%の診断率であったが,2.0cm未満383病巣では34%の診断率と報告されている1) そのため,2.0cm未満の病変に対しては,確定診断のために経皮的針生検(Transthoracic needle aspiration:TTNA)が推奨されている(グレード:IB).しかし,TTNAは気胸,空気塞栓,喀血などの合併症の可能性がある.最近,2.0cm以下の病巣に対してナビゲーションシステム(VBN),ガイドシース(GS)を用いた気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS),極細径気管支鏡などの新しい手技を使用してTBLBを施行すると診断率が上昇すると報告されている.メタアナラシスの結果,こうした新しい経気管支鏡的アプローチでは診断率は61.3%と報告された2) .本稿では,新しい経気管支鏡的診断法について概説する.

キーワード
ナビゲーションシステム(VBN), EBUS-GS, ガイドシース(GS)


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