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日外会誌. 113(5): 441-445, 2012
特集
外科領域における再生医療の応用
6.細胞移植を用いた心筋再生
I.内容要旨
再生心筋細胞による細胞移植療法という概念が提案されて10年以上が経ったが,real worldにおける心不全の標準的な治療法にはいたっていない.これまで主に骨髄幹細胞,骨格筋芽細胞,心臓幹細胞が細胞療法の臨床試験に用いられてきた.今後ヒトEmbryonic Stem(ES)細胞,induced Pluripotent Stem(iPS)細胞が臨床応用される可能性が高く,再生心筋細胞の細胞源として期待されている.低心機能の患者さんの予後を改善するためには十分な量の心筋細胞数を確保する必要があり,また,移植後の心筋細胞がホストの心臓に正着して電気的に結合する必要がある.ES,iPS細胞は心筋細胞への十分な分化能を持つが,多能性を保持するが故の課題もあるため,安全かつ信頼性の高い心筋細胞を供給するための分化プロトコール,純化法の確立が重要である.失われた心機能を改善するだけの心筋細胞を確保するとともに移植後心筋細胞の生着率を高める必要性もある.再生心筋細胞移植による重症心不全の治療の実現にはこれらの課題を解消していかなくてはならない.
キーワード
再生心筋細胞, ES細胞, iPS細胞, 細胞移植療法
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