[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (617KB) [会員限定][検索結果へ戻る]

日外会誌. 113(4): 388-392, 2012


会員のための企画

福島原発事故への医療対応最前線

福島原発事故後の県民健康管理調査,とくに甲状腺検査について

1) 福島県立医科大学 医学部器官制御外科学講座
2) 福島県立医科大学 附属病院乳腺·内分泌·甲状腺外科
3) 福島県立医科大学 放射線県民健康管理センター甲状腺検査部門
4) 福島県災害医療調整医監 

鈴木 眞一1)2)3)4)

I.内容要旨
前号では『チェルノブイリの教訓から福島原発事故を考える』で福島県では全県民を対象に外部被ばく線量の推計を目的とした基本調査と,個別の詳細調査という県民健康管理調査事業につきその概略について述べられたが,今号では,4つの詳細調査の一つである甲状腺検査につきその詳細と進捗状況および今後の予定について紹介する.甲状腺検査は事故当時0∼18歳だった福島県民に対し,超音波検査にて一次検査を施行し,2012年3月末までに38,114名,79.8%に実施されている.二次検査対象は0.5%で,直ちに検査を要するような症例は認めなかった.現在は二次検査の開始と共に,一次検査は県内都市部に実施が進められている.また,県外避難者に対し県外での実施に向け県外施設と準備中である.さらに県内でも多くの医療従事者の参加を模索し講習会等を開催している.

キーワード
チェルノブイリ原発事故, 放射線被ばく, 小児甲状腺がん, 甲状腺超音波検査, 福島原発事故

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。