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日外会誌. 113(4): 384-387, 2012


会員のための企画

Robotic surgeryの現状と展望

消化器科外科領域におけるRobotic surgeryの現状と展望

藤田保健衛生大学 上部消化管外科

宇山 一朗 , 須田 康一 , 吉村 文博 , 谷口 桂三 , 佐藤 誠二

I.内容要旨
da Vinci Surgical Systemによるロボット支援手術は本邦でも急速に認知されつつある.藤田保健衛生大学では,2009年1月にロボット支援手術を臨床導入した後,2012年4月までに347件のロボット支援手術を行ってきた.その内,消化器外科領域の手術が209例と高い比率を占めている.特に,上部消化管外科ではロボット胃切除114例,ロボット食道切除26例と積極的にロボット支援手術に取り組んでいる.その結果,手術の定型化が進み,通常の内視鏡手術に対してロボット支援手術は出血量が少なく,術後入院期間が短いなどの低侵襲性が明らかになりつつある.また,食道切除においては,反回神経周囲リンパ節郭清における神経機能の保護的な効果も確認された.現状では殆どのロボット支援手術は自費診療であるが,2012年4月から前立腺全摘において内視鏡下手術用ロボット支援加算が保険収載された.この保険収載を契機に,消化器外科領域の治療においてもロボット支援手術の有用性をさらに検討する必要性が示唆され,そのためには先進医療の取得が必要不可欠である.今後は,先進医療,保険収載のもとに,消化器外科領域でも高精度·低侵襲なロボット支援手術の発展が期待される.

キーワード
ロボット手術, da Vinci Surgical System, 消化器外科

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