[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (646KB) [会員限定]

日外会誌. 112(6): 371-376, 2011


特集

頸動脈狭窄症の最近の動向

2.頸動脈狭窄症の診断―MRICTA,頸動脈エコーの長短―

東京医科歯科大学 血管内治療科

根本 繁

I.内容要旨
頸動脈狭窄症は我が国で増加傾向にあり,その診断と治療が近年注目されている.様々な画像診断技術が導入されている中で,頸動脈狭窄の画像診断では,血管内腔計測による狭窄率の評価とプラークイメージングによる血管壁の評価という2つの診断上の役割がある.頸動脈エコーは低侵襲で簡便かつ情報量の多い検査である.MRIはスクリーニングでは有用であり,狭窄率の正確な評価には劣るがプラークイメージングでは非常に有用である.3次元CTアンギオ(CTA)は造影剤を使用するが狭窄の評価には有用であり,石灰化病変,治療後の経過観察,再狭窄の評価にも有用である.脳血管撮影は解像力に優れており,ステント留置術では必須であり,特定の症例では依然診断的価値は大きい.リスクの高い検査法ではあり,スクリーニングや経過観察には適していない.各検査法の長所短所をよく理解したうえで,スクリーニング,術前検査,治療後経過観察,それぞれ個々の症例に相応しい適切なmodalityの画像診断法を選択することが重要である.

キーワード
頸動脈狭窄, プラーク, プラークイメージング


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。