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日外会誌. 112(4): 245-249, 2011


特集

先天性心疾患合併小児外科疾患の最新の治療戦略

6.先天性心·大血管疾患合併症例に対する新生児外科手術戦略

1) 国立成育医療研究センター 外科
2) 国立成育医療研究センター 心臓血管外科

黒田 達夫1) , 北野 良博1) , 田中 秀明1) , 藤野 明浩1) , 渡辺 稔彦1) , 武田 憲子1) , 松田 諭1) , 山根 裕介1) , 鈴東 昌也1) , 金子 幸裕2) , 平田 康隆2) , 阿知和 郁也2)

I.内容要旨
心·大血管奇形(CHD)を合併した新生児外科疾患の治療戦略を考える目的で,2002年3月以降の自験例408例につき後方視的に検討した.CHD合併例は37例(9.1%)で,食道閉鎖症(46.7%),直腸肛門奇形(24.1%),気管·気管支疾患(75.0%)などの疾患で高率に合併がみられた.母集団の死亡率12.5%に対してCHD合併例の死亡率は24.3%であったが,先天性横隔膜ヘルニアではCHD合併例と非合併例で生存率に差が見られなかった.個々の症例の経過を検討すると,生直後に生命維持に直結する小児外科的奇形の修復を行い,次いで姑息手術などにより循環機能の安定を図り,その上で循環機能の予備力を評価しつつ小児外科疾患とCHDの根治的修復手術の治療パスを決定すべきかと思われた.このためには周産期を通した関係診療科の円滑な連携が重要と思われる.

キーワード
新生児外科, 心·大血管奇形, 周産期管理

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