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日外会誌. 112(1): 63-69, 2011


総説

若き心臓血管外科医の労働環境に関する意識調査

1) 筑波記念病院 心臓血管外科
2) 東京大学大学院 医学系研究科重症心不全治療開発講座

権 重好1) , 森住 誠1) , 清水 剛1) , 末松 義弘1) , 許 俊鋭2)

I.内容要旨
研修医の外科離れが進み深刻な労働環境の中,若き心臓血管外科医は何を考え,何を求めているかを明らかにするためアンケートを実施した.
結果と考察:全国の卒後10年以下の若き心臓血管外科医を対象とした.アンケート依頼数261中,回答数76人,回答率29.1%であった.61.3%の医師が「現在の労働環境が充実していない」として,その理由のトップが「執刀数が少ない」であった.多くの医師が「臨床業務以外の労働が多い」とし,「medical clerkの導入」が55.3%で所属長·医局への要望のトップであった.学会への要望として「心臓血管外科専門医の社会的地位向上·診療報酬の改善」が68.4%でトップであった.
まとめ:若手心臓血管外科医は,日常の業務および雑務に追われ,執刀する機会が少ない事に不満を感じている.Medical clerkやphysician assistant,nurse practitionerを導入し,書類作成などの一般業務や術後管理を委任できれば,若手医師の過重労働軽減につながると思われる.

キーワード
アンケート, 労働環境, 若手心臓血管外科医

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