[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (240KB) [会員限定]

日外会誌. 111(3): 166-169, 2010


特集

外科とリスクマネジメント

7.インフォームドコンセント

聖マリアンナ医科大学 消化器·一般外科

大坪 毅人

I.内容要旨
1990年ころより我が国に導入されたインフォームドコンセントの概念は,日本に定着しつつあるが未だ法制化は進んでいない.しかしながら明らかな医療過誤がなくても期待する結果に至らない場合は説明義務違反として訴訟にいたる事例が増えている.十分なインフォームドコンセントを得るための説明する内容としては①病名·病状とその原因.②行おうとする治療を採択する理由と,治療の内容.③その治療法の危険の有無と程度.④それ以外の選択肢として可能な治療方法とその利害得失.(5)治療を行った場合及び行わなかった場合の将来予測および予後,について触れる必要がある.またこれらの内容を詳細に記録しておくことが重要である.以上のことを説明する上でインフォームドコンセントにより,よりよい患者·医療者の信頼関係を築くためには,患者の感情に配慮した話し方すなわちコミュニケーションスキルの向上が必須である.

キーワード
インフォームドコンセント, リスクマネジメント, 自己決定権, 説明義務, パターナリズム


<< 前の論文へ次の論文へ >>

PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。