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日外会誌. 111(3): 139-142, 2010
特集
外科とリスクマネジメント
2.医療訴訟
I.内容要旨
外科医が医療訴訟を受けるリスクは内科医よりも高い.そのため,外科医の立場からのリスクマネジメントを考えるにあたっては,医療訴訟についても意識せざるを得ない.外科医療訴訟において裁判上の争点となりやすいものは,①手術適応,②手術手技,③術後管理,④術前説明であるが,特に④は外科医の認識と裁判官の認識との間に,ずれが生じやすいことから注意が必要である.この点については,最高裁判所の判例が参考になる.裁判上の争点とは関係ないが,術中·術後に悪い結果が起きたときについても,ポイントを押さえた説明が必須である.医療訴訟の審理期間は長い.この間,当事者となった医師は,重い精神的負担を背負うが,この医師は自分だけのために闘っているわけではない.医療訴訟になったら,当事者となった医師を1人にしてはならない.
キーワード
訴訟リスク, 説明, 精神的負担, 外科医自らが受ける合併症
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