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日外会誌. 111(1): 27-30, 2010


特集

消化器外科術後食に関する新しい考え方

4.開腹手術においてもたらされたもの 
2)膵頭十二指腸切除術

1) 近畿大学医学部 外科学教室肝胆膵部門
2) 近大姫路大学 

土師 誠二1) , 大柳 治正2) , 竹山 宜典1)

I.内容要旨
膵頭十二指腸切除術においては膵液瘻などの合併症の予防と治療のため,周術期管理の栄養管理は必須である.その適応時期,投与カロリー量と組成,投与方法など,まだ議論は多いが,経腸栄養がその主軸になってきた.術後合併症抑制の点からカテーテル空腸を用いた早期経腸栄養が推奨され,半消化態である免疫強化栄養剤は有用性が高い.経口摂取は比較的早期から可能であるが,術後1週間目より開始されているのが現状である.幽門輪温存術式ではさらに遅れる可能性がある.術後食は胃切除術後と同様の分割食でよく,慢性膵炎や遠隔期の残膵機能低下による膵外分泌障害例では消化酵素剤の使用とともに低脂肪食も考慮する.

キーワード
膵頭十二指腸切除術, 経腸栄養, 術後食, 低脂肪食


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