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日外会誌. 110(5): 277-280, 2009


外科学会会員のための企画

新規医療材料の安全な普及をめざして―実施基準の現況と展望―

ステントグラフト実施基準管理委員会

戸田中央総合病院 

石丸 新

I.内容要旨
本邦で最初の腹部大動脈瘤用ステントグラフトが薬事承認されてから3年が経過した現在,胸部大動脈瘤用2機種と腹部大動脈瘤用3機種の企業製造デバイスが臨床導入され,一般医療として普及しつつある.世界の潮流に約10年遅れてスタートした新規治療に課せられた命題は,それまでに海外で経験されたと同様のlearning curveを描くことなく,導入当初から良好な成績を上げることである.そこでステントグラフトの安全な普及を目的として実施基準が策定され,これを管理運用する実施基準管理委員会において実施施設,実施医および指導医の審査が行われている.また,全例を対象とした追跡調査が義務化されており,過去2年間の症例調査では概ね良好な初期成績で,実施基準の妥当性が証明された.今後も長期にわたる追跡調査を実施し,必要に応じてその結果を公開することにより情報の共有化をはかり,安全で効果的なステントグラフト治療の普及をめざしている.

キーワード
ステントグラフト, 管理委員会, 審査, 追跡調査


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