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日外会誌. 110(5): 261-265, 2009
特集
胸部大動脈瘤の治療―現状と将来―
3.ステントグラフト内挿術(適応,成績,合併症)1)弓部大動脈瘤
I.内容要旨
胸部大動脈瘤に対するステントグラフト治療(TEVAR)は,1993年に解離性大動脈瘤に対して日本で臨床導入された.その後,種々の病態や形態の胸部大動脈瘤に対して治療を行い,良好な成績を得てきた.2008年5月より日本でも企業製造ステントグラフトであるGore Thoracic aortic graft(TAG)が認可され使用可能となった.しかし現状のDeviceでは頸部分枝のため弓部大動脈疾患をステントグラフトのみの治療を行うのは不可能である.
そこで弓部大動脈疾患に対するステントグラフト手術を併用したハイブリット手術として,頸部分枝再建(Debranching)を行うハイブリッドTEVAR,Fenestrated deviceを用いたTEVAR,さらには体外循環を用いたOpen stent graft techniqueが考案され臨床導入された.それぞれに対して長所短所を持ち合わせた手技であるが,通常手術に比べ低侵襲であり,適応を十分に考慮して対応すれば,High risk患者に対しても良好な成績を得ることが得られると考えられる.
キーワード
弓部大動脈瘤, ステントグラフト
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