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日外会誌. 110(5): 249-254, 2009


特集

胸部大動脈瘤の治療―現状と将来―

2.Open Surgery(補助手段,手術成績,合併症)2)胸部下行大動脈瘤

琉球大学 医学部生体制御医科学講座機能制御外科学分野

國吉 幸男

I.内容要旨
胸部下行大動脈瘤の手術成績は比較的良好であるが,術式選択,補助手段,合併症を含めてまだ多くの問題を有している.近位胸部下行大動脈の瘤は弓部大動脈遮断による脳梗塞発症を回避するためにOpen proximal anastomosisを選択すべきである.また慢性IIIb解離症例は大動脈遮断による術中解離発症の可能性を考慮した手術準備が肝要である.中部∼遠位胸部下行大動脈においては術後対麻痺予防が重要である.現時点においては同合併症を確実に回避できる手段がないため様々な工夫が報告されている.1)Distal perfusion,2)Hypothermia,3)脊髄動脈再建,4)CSFドレナージ,5)多分節大動脈遮断(Multi-segmental aortic clamping),6)MEP monitoring,7)etcが基本的手技であり,それらを多用した術中の脊髄虚血回避策が術後対麻痺合併を減少しうる手段であると考えられる.

キーワード
Open proximal anastomosis, 術中解離, 術後対麻痺, MEPモニター

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