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日外会誌. 110(3): 139-142, 2009


特集

卒後外科教育と専門医制度

4.サブスペシャルティの立場から見た卒後教育と専門医制度 4)呼吸器外科専門医

東北大学加齢医学研究所 呼吸器再建研究分野

近藤 丘

I.内容要旨
呼吸器外科は,心臓血管外科,消化器外科,小児外科とともに外科専門医制度を1階部分とするサブスペシャルティ領域としてその専門医制度を構築してきた.このような仕組みの構築は初めての試みであり,運用上不都合な点や領域別の不一致な点などに対してしばしば修正や追加により対応してきた.途上,臨床研修義務化など制度運営に大きな影響を及ぼす出来事もあったが,立ち上げ後初の更新にいたってようやく一区切りの時期を迎えることができたと言える.この間,呼吸器外科専門医制度は合同委員会方式での運営という特徴を生かし,制度設計上いくつかのユニークな試みを展開しており,今後もその利点を生かした仕組みを育てていこうとしている.一方,現役の期間が短い反面育成に時間がかかるという特徴を持つ外科医を効率的に育成していくために,今後卒後臨床研修などの卒後教育の仕組みについては慎重な見直しが求められるのではないだろうか.総花的な臨床研修のノルマを果たすために,外科修練が単なる技術の経験のみとなることは避けるべきであろう.外科医として,精神面,人間性などにおいても優秀な医療人を育てられるような臨床研修の仕組みが必要であり,そのような卒後教育とそれに続く専門医制度を包括的に組み上げていくことが必要であろう.

キーワード
呼吸器外科専門医, 呼吸器外科専門医合同委員会, 卒後外科教育, 外科関連専門医制度

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