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日外会誌. 109(6): 355-356, 2008


特集

日本と世界の各種外科疾患における診断·治療戦略の相違

8.甲状腺

帝京大学医学部 外科

高見 博

I.内容要旨
甲状腺の外科的疾患の診療の中で,日本と外国で最も相違のある高分化型甲状腺癌について論説する.日本と外国(日本以外の国,アフリカを除く)における甲状腺切除範囲·リンパ節郭清範囲,術後の放射線治療やホルモン療法の適応などでは,日本は外国と比べ極めて異なっている.特に,大きな乳頭癌では,外国では全例に甲状腺全摘を施行する方針で,一方でリンパ節の郭清範囲に関しては,日本の方が広範囲である.術後のTSH抑制療法および131I大量療法の適応は外国で積極的である.日本では131I大量療法を施行できる施設が極めて限定している.世界と日本の診断·治療の相違は明確である.

キーワード
甲状腺癌, 甲状腺分化癌, 治療方針

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