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日外会誌. 109(4): 205-209, 2008
特集
心臓血管外科の最新治療
5.先天性心疾患
I.内容要旨
近年,先天性心疾患を有する患児の外科治療では,遠隔期のQOL向上を目標とした治療法が選択されるようになった.QOL向上のためには,出生後早期からの計画的かつ段階的戦略,早期根治手術,患児の発育を考慮した手術と低侵襲化が重要であり,それらが現代の小児心臓手術,ひいては先天性心疾患手術の潮流となっている.その延長線上で,特に新生児,乳児期の重症心疾患に対する診断および治療体系が確立され,手術成績および遠隔成績が目覚ましく改善している.その背景には侵襲の少ない診断技術や病態生理の解明をもとにした周術期管理法の進歩,体外循環技術の向上,そして独創的で新しい術式の開発がある.本稿ではこれらの進歩を解説するとともに,重症心疾患のなかでも頻度の高い大血管転位症,左心低形成症候群,ファロー四徴症,フォンタン手術の適応となる複雑心奇形の外科治療の進歩について述べる.
キーワード
段階的治療戦略, 早期根治手術, 大血管転位症, ファロー四徴症, 左心低形成症候群
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