[
書誌情報]
[
全文HTML]
[
全文PDF] (386KB)
[会員限定]
日外会誌. 108(5): 274-278, 2007
外科学会会員のための企画
MDRP(多剤耐性緑膿菌)の対策
薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染の予防と多発時の対処
I.内容要旨
薬剤耐性緑膿菌(MDRP)は有効な抗菌薬がほとんどないため,感染症の原因微生物となったときには治療に難渋する.そのため,MDRPが臨床検体から検出されたときには厳重な院内感染対策を速やかに行いその感染·伝播の拡大を防ぐことが重要となる.MDRPの院内感染対策はMRSAなどの他の多剤耐性菌と同様に標準予防策と接触感染対策が基本となるが,MDRPの多くはカテーテル尿や中間尿などの尿から検出されることが多いため,尿や便などの排泄物の管理が重要となる.また,抗菌薬なかでもカルバペネム薬の投与によって耐性が誘導されるため,抗菌薬の適正使用を実施することが必要となる.また,多発事例では速やかにその感染源および感染経路を検討し,厳重な個室管理やコホート管理とともに再度標準予防策と接触感染対策の徹底を図ることが重要である.
キーワード
MDRP, 院内感染対策, 標準予防策, 接触感染対策
PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。