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日外会誌. 108(5): 242-245, 2007


特集

癌診療ガイドラインが臨床現場に与えた影響

3.乳癌

熊本大学 乳腺·内分泌外科

岩瀬 弘敬

I.内容要旨
乳癌の診断法,治療法の変化は著しく,乳癌診療を専門に扱っている病院とそうでない病院との間には診療内容に明らかな差が生じている.この施設間や地域間での格差を少しでも小さくするためには,ガイドラインを作成し,診療をある程度標準化することが必要である.乳癌診療のガイドラインには日本乳癌学会の診療ガイドラインを始め,米国臨床使用学会やキャンサーネットワークのガイドライン,ザンクトガレンの術後全身療法の推奨などがある.これらのガイドラインからは,乳房温存手術の適応,実際,全身薬物治療,術後サーベイランスなどの指針が示されており,up-to-dateな標準的治療を広く普及させるのに役立っている.しかし,特定のガイドラインにより医師個人の裁量権は規定されるべきでなく,様々なガイドラインや新しいエビデンスを逐次取り入れて,個々の医療機関の状況,患者の価値観や社会規範を勘案して診療に生かすべきである.

キーワード
乳癌, 日本乳癌学会, ガイドライン, 手術療法, 薬物療法

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