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日外会誌. 108(4): 176-180, 2007


特集

重症虚血肢に対する最新の診断と治療

3.病態生理,診断,検査

東京医科歯科大学 外科·血管外科

菅野 範英 , 岩井 武尚

I.内容要旨
重症虚血肢は,足関節圧または趾血圧測定にて証明された慢性動脈閉塞による安静時痛や潰瘍·壊死が,2週間以上継続した状態と定義されている.安静時痛症例の足関節圧は50mmHg未満,趾血圧は30mmHg未満とされているが,潰瘍または壊死症例では,足関節圧は70mmHg未満,趾血圧は50mmHg未満とより高い値が閾値となっている.これは,潰瘍·壊死が治癒するためには,組織を単に維持していくよりも多くの血流が必要であるためである.重症虚血肢発症には,中枢側動脈の多分節病変による血流低下のみならず,局所の血流不均衡が増悪因子となっているため,病態を理解するためには,マクロな血流だけではなく,微小循環の評価も重要である.微小循環の評価方法としては,経皮的酸素分圧測定と皮膚組織潅流圧測定が行われている.重症虚血肢では,経皮酸素分圧は30mmHg未満,皮膚組織潅流圧も30mmHgとなっている.

キーワード
足関節圧, 趾血圧, 経皮的酸素分圧, 皮膚組織潅流圧

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