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日外会誌. 108(3): 131-136, 2007


特集

癌治癒切除術後サーベイランスの意義と問題点

7.原発性肝癌

東京大学 肝胆膵外科·人工臓器移植外科

國土 典宏 , 幕内 雅敏

I.内容要旨
癌のサーベイランスという視点からみると,肝細胞癌は癌発生の高リスク群が明らかになっている癌腫の一つである.肝癌の術後患者も5年以内の再発率は約70%と高く,明らかに癌発生(再発)の高リスク群になる.これまでのエビデンスを参考にした上での現時点での術後サーベイランス法の最大公約数は「1-2カ月毎の2種類の腫瘍マーカー(α-fetoproteinとPIVKA-II(protein induced by vitamin K absence or antagonist-II))測定,2-3カ月毎の超音波,6カ月毎の造影CT」とまとめられる.これはかなり密度の高いフォローアップ法であるが,肝癌の告知,しかも再発率が高いという説明を受けた術後患者側からの要望も強い.このような術後サーベイランスによって,早期に再発が検出される可能性が高まり,根治的な治療を受ける機会を増やす可能性があるが,生命予後が明らかに改善するとのエビデンスはまだ充分ではなく,今後検証する必要がある.

キーワード
肝細胞癌, サーベイランス, 診療ガイドライン

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