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日外会誌. 108(3): 107-112, 2007


特集

癌治癒切除術後サーベイランスの意義と問題点

2.肺癌

1) 大阪府立成人病センター 呼吸器外科
2) 大阪府立成人病センター 調査部

児玉 憲1) , 尾田 一之1) , 岡見 次郎1) , 前田 純1) , 王 蕾1) , 東山 聖彦1) , 中山 富雄2)

I.内容要旨
病理病期I期(p-stage I)肺癌治癒切除後の長期サーベイランスに生命予後を改善する意義が存在するかにつき,retrospectiveに検討した.その結果,術後再発は80例中9例において発見されたが,再切除が可能であったのは2例のみで,再発確認後の3年生存率は22%と不良であった.一方,異時性多発肺癌は7例発見され,4例に再切除,2例に放射線治療,1例に免疫療法が行われ,再発確認後の5年生存率は72%と良好であった.80例中,再発巣あるいは異時性多発肺癌が切除された6例(7.5%)において,平均226日の生存期間の延長が得られ,cost per life-year gained(LYG)は4,512,295円であった.この金額は癌年齢の国民1人の年間所得と比較し,受け入れられるべき費用対効果と考えている.

キーワード
肺癌, 術後サーベイランス, 費用対効果, 術後再発, 異時性多発肺癌


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