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日外会誌. 107(5): 211-214, 2006


特集

これからの術後感染の対策治療を考える

3.院内における感染対策の方法

東北大学病院 感染管理室

金光 敬二 , 賀来 満夫

I.内容要旨
医療関連感染を減少させるためには,標準予防策,感染経路別予防策の遵守が最も効率が良い.これらの予防策は医療従事者の中で徐々に浸透してきた.しかしながら,臨床の現場では一見容易に見えるこれらの予防策が必ずしも守られていない.手指衛生も同様に遵守率は高いとは言えず,コンプライアンスを高めるには,手指衛生の意味を再認識する必要がある.また,マスク,ガウン,ゴーグル,フェイスシールドなどの感染防護具(personnel protective equipment:PPE)を上手に使い職業感染などを防御しなければならない.
手術部位感染(surgical site infection:SSI)を減少させるための一つの方法に,手術室での環境整備がある.一般的には手術室は陽圧となっており外部(手術室廊下)からの空気が流入しにくい.室内には,HEPAフィルターを通した清浄度の高い空気が供給されなければならない.また,手術室は血液などの体液により汚染する可能性が高く適切な清掃が重要である.

キーワード
医療関連感染, 感染対策, 標準予防策, 感染経路別予防策, 手指衛生

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