[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (393KB) [会員限定][検索結果へ戻る]

日外会誌. 106(11): 706-709, 2005


特集

先端技術の外科学への応用

7.ゲノム解析と癌治療

東京大学医科学研究所先端医療研究センター 外科

田原 秀晃

I.内容要旨
ヒトゲノム研究により,画期的な診断法や治療法が開発されるものと期待されている.ゲノム解析結果を利用したがん治療への応用法の中でも,1)分子標的治療薬を含む抗がん剤を投与する際の指標としての遺伝子診断,ならびに2)網羅的発現情報解析によるがん関連遺伝子の探索,に関して概説する.前者に関しては,cDNAマイクロアレイやDNAチップを用いた網羅的遺伝子発現解析や,一塩基多型を代表とする遺伝子多型の解析により,抗がん剤の抗腫瘍効果や副作用に関する治療前予測が可能となりつつある.後者に関しては,同様な網羅的遺伝子発現解析により新規がん関連遺伝子も発見されてきており,診断法の開発に留まらす,がんワクチン療法など治療法への応用も進められている.このような有益かつ膨大な情報は,癌治療研究へ応用され,革新的治療法の開発につながることが期待されている.

キーワード
ヒトゲノム, 遺伝子診断, cDNAマイクロアレイ, 一塩基多型(SNP), がん関連抗原

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。