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日外会誌. 106(11): 700-705, 2005


特集

先端技術の外科学への応用

6ナノテクノロジーとドラッグデリバリーシステム

1) 東京大学大学院 医学系研究科附属疾患生命工学センター・臨床医工学部門
2) 東京大学大学院 工学系研究科マテリアル工学専攻

西山 伸宏1) , 片岡 一則1)2)

I.内容要旨
ナノテクノロジーの医療応用の一つとしてドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System,DDS)が大きな注目を浴びている.一方,市場においてDDS製剤は既に実用化されつつあり,その数は今後益々増大するものと予想される.DDSのナノテクノロジーたる所以は,ナノスケールでの材料設計を行うことで治療の有効性および安全性を飛躍的に高めることができるためであろう.そのようなアプローチの一つとして,著者らは,ブロック共重合体の自己会合により形成される高分子ミセルのDDSとしての応用について研究を行っている.高分子ミセルは,他のDDSとの比較において様々な利点を有しており,将来のナノ医療の中核的な役割を担うシステムとして今後の展開が大きく期待される.

キーワード
ナノテクノロジー, ドラッグデリバリーシステム(DDS), 高分子ミセル, ガン治療, 標的治療

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