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日外会誌. 106(8): 479-483, 2005


特集

内分泌外科の臨床診断と外科治療

6.副腎皮質髄質腫瘍

1) 東京女子医科大学 内分泌外科

飯原 雅季 , 小原 孝男

I.内容要旨
悪性の頻度が少ない副腎腫瘍では,ホルモン産生腫瘍が主な外科治療対象である.本稿では,代表的なホルモン産生腫瘍として,原発性アルドステロン症,クッシング症候群,褐色細胞腫の診断・治療のポイントについて概説した.
原発性アルドステロン症では,まず低レニン血性高アルドステロン血症があることを確認する.副腎CT検査で部位診断がつかない場合にデキサメサゾン抑制副腎皮質シンチグラムや副腎静脈サンプリング検査(AVS)を行う.副腎性クッシング症候群のスクリーニングには1mgデキサメサゾンによるovernight法が用いられる.5cm以上のクッシング腫瘍は副腎皮質癌の可能性がある.褐色細胞腫では必ずしも高血圧を示さないことを留意し,ノルアドレナリン優位のカテコラミン高値を示す場合には副腎外発生の傍神経節細胞腫や悪性の可能性を考慮する.
この10年余りで手術法は大きく変遷した.原発性アルドステロン症,クッシング症候群を中心に褐色細胞腫までを含める5cm以下の副腎良性腫瘍では,従来の開放的副腎摘除術に替わって腹腔鏡下副腎摘除術が標準手術法になった.最近では腹腔鏡下に副腎皮質機能を温存する副腎部分切除術も試みられている.

キーワード
副腎腫瘍, 原発性アルドステロン症, クッシング症候群, 褐色細胞腫, 腹腔鏡下副腎摘除術

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