[書誌情報] [全文HTML] [全文PDF] (43KB) [会員限定][検索結果へ戻る]

日外会誌. 106(6): 385-389, 2005


特集

肺癌の拡大手術と縮小手術―その評価と展望

5,肺癌縮小手術の成績と評価

福岡大学 第2外科

岩崎 昭憲 , 白日 高歩

I.内容要旨
早期肺癌に対する縮小手術は肺葉切除に比べ局所再発が多くこれまで慎重に検討される課題であった.また肺癌の治療ガイドラインでも積極的に推奨されるレベルまでは至っていないのが現状である.しかしながら診断技術向上に伴い,より早期発見症例の増加や,これまでの研究成果の報告に基づいて縮小手術に適した症例がどのようなものか次第に明らかになってきた.20mm以下の肺胞上皮癌に対しての積極的区域切除は縮小手術として根治性が得られると期待できる.楔状切除の局所再発率は依然高く10mm以下でもより慎重に行われるべきと考えられた.ただし切除方法の工夫や断端精査により,今後少なくできる可能性もある.消極的な縮小手術は再発,予後から慎重な適応が望まれる.縮小手技を行う意義を比較試験でさらに検証する必要があるが,現実的には外科での比較試験は困難な状況である.早期肺癌での縮小手術は今後も病理学的解析や画像診断向上により,さらに詳細な適応が明らかとされるのではないかと期待される.

キーワード
早期肺癌, 縮小手術, 成績, 評価

このページのトップへ戻る


PDFを閲覧するためには Adobe Reader が必要です。