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日外会誌. 106(4): 291-296, 2005


特集

進展様式に基づいた消化器癌手術のこつと工夫

5.肝門部胆管癌

千葉大学大学院 医学研究院臓器制御外科学

宮崎 勝 , 伊藤 博 , 木村 文夫 , 清水 宏明 , 外川 明 , 大塚 将之 , 吉留 博之 , 加藤 厚 , 吉富 秀幸 , 澤田 成朗 , 安蒜 聡

I.内容要旨
肝門部胆管癌は外科切除が唯一の根治治療法であり,まずは外科根治切除術の可能性を追求した検討がなされるべきである.術前のステージングにおいて癌の胆管進展度,血管浸潤度,リンパ節転移度,血行および腹膜播種転移を十分に検討する.また閉塞性黄疸を伴う例が殆どであるがその肝機能レベルを判定したうえで,外科切除術式プランを決定する.切除後予定残存肝実質量が40%以下の場合,肝予備能の低下が見られる場合および肝膵同時切除といった手術侵襲が高いと予想される場合には切除予定肝領域の術前門脈塞栓術を検討すべきであろう.また一方肝機能の低下が高度の場合,癌の進展範囲が肝門部に限局されていると判断しえる場合には可能な限り肝実質温存肝切除を選択すべきであろう.血管浸潤例では門脈合併切除再建を行うことで予後の向上を得られうるが,肝動脈浸潤にて再建を要するような症例の動脈再建を用いた切除術は慎重であるべきである.いずれにせよ様々な術前および術中オプションを用いて根治可能な外科切除術を積極的に選択していくことが予後の向上につながる.

キーワード
肝門部胆管癌, 閉塞性黄疸, 肝切除, 肝不全


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